白内障

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白内障

先進の白内障手術「多焦点眼内レンズ手術(選定療養)」の
当院での実績は2,000件以上(~2022年12月時点)。
また、近視・遠視・老眼を治療する屈折矯正白内障手術を目指し、
レーザー白内障手術装置(LenSx®)、
白内障手術システム(Verion-Link)、
術中波面収差解析装置(ORA)を四国で初めて導入しています。

白内障とは

白内障とは

眼の中には、水晶体というピントを合わせるためのレンズがあります。白内障は、この水晶体が白くなったり、茶色くなったりして光を通しにくくなり、視力が落ちる病気です。高齢者の視力低下の原因として、最も多い病気です。視力回復には人工水晶体を用いた手術が必要です。

白内障とは

白内障の原因

最も多い原因は、加齢による老化です。早い人では50歳頃から出現します。その他の原因として糖尿病などの代謝性疾患、眼の外傷、ぶどう膜炎や虹彩炎などの眼内の炎症が挙げられます。また小児で先天的におこることもあります。

白内障の症状

「眼がかすむ」「強い光がまぶしい」「暗いところで見えにくい」「二重・三重に見える」「眼鏡が合わなくなる」「緑内障を引き起こす」などが主な症状です。

白内障の診断と治療

視力検査により視力低下の程度を調べ、次に目薬で瞳孔を広げて、水晶体の混濁度と眼底の病気の有無を調べます。1回の来院で、白内障の有無、他の眼の病気の有無が分かります。「免許の更新ができない」「新聞や本が読みにくい」「強い光が当たるとまぶしくて見えない」など、日常生活に不便を感じるようになったら手術による治療が必要です。

白内障手術の方法

白内障手術の方法

通常は超音波を使って水晶体を粉砕する超音波乳化吸引術と人工水晶体(眼内レンズ)挿入術を組み合わせた手術を行います。 まず目薬で麻酔をした後、角膜を2~3mm切開し、水晶体を超音波で細かく砕いて吸い取ります。その後プラスチックでできた人工水晶体を折り畳んで挿入し、眼内で広げて固定します。個人差はありますが、手術時間は10~15分程度が目安です。手術により高い精度を要求される多焦点眼内レンズ手術では、当院はレーザー手術白内障手術を行っております。

レーザー白内障手術の詳細はこちら

手術のポイント

片眼わずか10~15分程度で完了します

約30分休めば帰宅できます

翌日には視力回復が期待できます

手術のポイント

1

麻酔
麻酔

目薬をさすだけなので
痛みはありません

2

超音波手術
レーザー手術/超音波手術

レーザー/メスで切開し、
レーザー/超音波を用いて
水晶体を取り除きます

3

術中眼内レンズパワー測定
術中眼内レンズパワー測定

術中波面収差解析装置 (ORA system)で
眼内レンズの度数を最適化します

4

人工水晶体挿入
人工水晶体挿入

人工水晶体レンズを
折りたたんで挿入

5

手術終了
手術終了

人工水晶体に入れ替え完了

麻酔

点眼麻酔を行います。希望者には不安を鎮めるために低濃度笑気ガス麻酔を併用します。手術後は、30分程度休めば、歩いて帰ることができます。

低濃度笑気ガス麻酔について

当院では、手術時の不安解消のため低濃度笑気ガス麻酔を導入しています。笑気麻酔は、痛みを感じにくくリラックスした状態を作り出す麻酔で、歯科では、小さなお子さんの治療の際などに長年使用されており、安全性の高い麻酔です。「手術が不安」「手術が怖い」という方にも安心して手術を受けていただけます。

眼内レンズの選択

術中波面収差計による計測で眼内レンズの度数をピッタリ合せます

現在の白内障手術では単に低下した視力を回復するだけでなく、手術前の近視や遠視、乱視や老眼などの屈折異常を治療することが可能です。このような手術を屈折矯正白内障手術といいます。手術で近視や遠視、乱視、老眼を治療するには、極めて精密なレンズの度数決定が必要です。当院では中四国で初めて術中波面収差解析装置ORA systemを導入しました。これまで術前の計測で予測して度数決定を行っていましたが、手術中に眼球を直接測定して計算することが可能になり、さらに精度の高い手術が可能になりました。

挿入する眼内レンズには、単焦点レンズと多焦点レンズの2種類があります。単焦点レンズは、くっきりと見えますが、焦点がひとつのため、遠・近どちらか一方にしか焦点が合わず、どうしてもメガネが必要になります。一方、多焦点レンズ(選定療養)は遠近両用ですので、眼鏡に頼らない生活を送ることができます。

現在の多焦点眼内レンズは、色々な欠点が克服され、患者様にとって不満が少ないレンズとなっています。それでも、若いときの見え方を完全に再現するものではありません。1枚のレンズに多焦点性を持たせるために、単焦点レンズには無い弱点もあります。適応は患者様の眼の状態により決定しますので、検査・診察の上、医師と御相談下さい。

手術装置

当院では白内障手術器械に、2020年4月からアメリカ・アルコン社の白内障超音波手術装置センチュリオン アクティブセントリー™を導入し、小切開白内障超音波手術に対応。2017年11月に四国で初めて導入した世界シェアNo.1のレーザー白内障手術装置 LenSx(アメリカ アルコン社)による白内障手術に対応しています。

手術装置

手術後の微調整(タッチアップ)

レンズの特性を十分発揮させるために、手術後に乱視の矯正や度数の微調整(タッチアップ)が必要になることがあります。微調整は通常はメガネや眼内レンズの交換、多焦点眼内レンズの場合は、エキシマレーザーでレーシックが必要な場合もあります。白内障の術後の治療は、屈折矯正についての深い知識や技術が要求されます。その点、当院は屈折矯正手術に長年取り組んでおり、近視矯正手術レーシックの経験も豊富です。エキシマレーザー装置も完備していますので、安心して手術を受けていただくことができます。

手術費用

手術費用

手術費用は保険適用となる単焦点眼内レンズ手術を選択するか、選定療養の多焦点眼内レンズ手術を選択するかで異なります。また、患者様の健康保険の種類や年齢、入院の有無によっても異なります。詳しくは以下をご参照ください。

単焦点眼内レンズ(健康保険適用)

・ 超音波白内障手術 単焦点眼内レンズ

遠方または近方のみに焦点が合うため手術後に老眼鏡、や遠方用メガネのどちらかが必要となります。
※健康保険適用

・ 手術費用(費用は治療内容により若干異なります)

日帰り手術
自己負担額

1割負担

約18,000円

2割負担

約18,000円(限度額による)

3割負担

約53,000円~70,000円(手術内容による)

入院手術
自己負担額

1割負担

約20,000円

2割負担

約40,000円

3割負担

約56,000円~70,000円(手術内容による)

多焦点眼内レンズ(選定療養)

選定療養は、保険対象の単焦点レンズと対象外の多焦点レンズの差額を自己負担することで、多焦点眼内レンズ手術を受けることができる制度で、2020年4月から開始されました。これにより多焦点眼内レンズ手術は従来の先進医療ではなくなり、生命保険などの先進医療特約は使えません。
通常の白内障手術の部分は医療保険の給付対象となります(上記の単焦点眼内レンズの費用)。これに加えて、単焦点レンズと多焦点眼内レンズとの差額と多焦点眼内レンズ手術に必要な検査分が自己負担となります。自己負担の費用はレンズの種類によって異なります。

a.

2焦点眼内レンズ(遠方と近方に焦点があいます)

加入度数が最も多く、近くを重視する人に最適。ハロー(光の周辺に輪がかかって見える現象)、グレア(光がやや散乱して見える現象)が強めで、乱視には対応しません。

b.

3焦点眼内レンズ(遠方中間距離(60cm)近方の3つに焦点があいます)

最新素材の3焦点レンズで遠方・中間距離・近方に焦点が合い、好バランスで高い耐久性と性能をもち、乱視にも対応しています。

c.

2焦点+焦点拡張型眼内レンズ(自然な見え方で近方もよく見えます)

2焦点+焦点拡張型眼内レンズで構造的には遠近2焦点ですが、中間距離は遠方・近方に焦点を拡張することで対応し、境目がなく自然な見え方とされ、近方もよく見えます。乱視にも対応しています。

d.

焦点拡張型眼内レンズ(遠方を重視する人に最適です)

最新の焦点ずらし型多焦点レンズを用います。近方はやや弱いですが、十分な実用視力でハロー・グレアはほとんどありません。スポーツや夜間の運動など、遠方を重視する人に適しています。

レンズ種類
レンズ名称
費用

a. 2焦点眼内レンズ

AMO テクニスマルチフォーカス
(アメリカ)

165,000円(税込)

b. 3焦点眼内レンズ

AMO アルコン クラレオン
パンオプティクス(アメリカ)

乱視なし:352,000円(税込)
乱視あり:385,000円(税込)

c. 2焦点+焦点拡張型眼内レンズ

AMO テクニスシナジー
(アメリカ)

385,000円(税込)
乱視あり、なし同価格

d. 焦点拡張型眼内レンズ

アルコン ビビティ
(アメリカ)

乱視なし 352,000円(税込)

※術前・術後検査費用、手術費用、入院費用などは健康保険適用です
※入院中の個室代、食事代は別途負担となります

選定療養について

多焦点眼内レンズを用いた手術は、2020年4月より「選定療養」となりました。術前検査、手術費用、術後の経過観察が保険適用となり、多焦点眼内レンズ費用のみ自己負担となります。手術は、レンズの種類により超音波手術またはフェムトセカンドレーザーによる白内障手術を行います。(入院手術の場合、入院費には健康保険が適用されます。個室代は別途です。) 厚労省未認可の多焦点眼内レンズは自費診療となります。

自費診療

・ フェムトセカンドレーザーによる白内障手術

単焦点レンズではフェムトセカンドレーザー白内障手術は自費診療です。

レーザー白内障手術の詳細はこちら

手術費用 片眼:440,000円(税込)

※術前・術後検査、薬剤費用を含みます (術後3ヶ月まで)
※入院費用は含まれません。入院中の個室代、食事代は別途負担となります

入院費用

当院3階が入院病棟となります。ロビーを備えておりますので、ゆったりお過ごしいただける個室9室備えています。2人部屋は差額はありません。入院は2泊3日となります。

設備についての詳細はこちら

お部屋の種別
1日あたり

バス・トイレ付き個室 3室

8,470円~

バス・トイレ無し個室 6室

7,260円

6,050円

5,500円

白内障に関するQ&A

Q.

白内障手術で入院は必要ですか?

A.当院では折り畳み式レンズを使用して、手術時の切開を最小限にしていますので、特に入院する必要はありません。自宅のほうが良く眠れるなどの理由で、約7割の方が日帰り手術を選択されます。ただ、手術による合併症を予防するために、翌日と翌々日の診察に来ていただく必要があります。このため遠隔地の方、ご家族やご本人のご希望により、入院手術を選択していただくことができます。入院は2泊3日です。

Q.

白内障手術後の通院は?

A.日帰り手術の場合は、翌日と翌々日に診察を受けていただきます。その後は、手術の1週後、2週後、4週後、2ヶ月後、3ヶ月後に診察があります。入院手術では、退院後の診察は手術1週後、2週後、4週後、2ヶ月後、3ヶ月後です。当院への通院が不便な場合は、お近くの眼科に紹介状をお書きし、そちらで術後の経過観察を受けていただくことが可能です。

Q.

白内障手術の実績はどれくらいですか?

A.当院の手術実績詳細はこちら

Q.

白内障の手術に年齢制限はありますか?

A.年齢制限はありません。手術後、認知症の症状が改善された例もあるので、高齢を理由に手術を躊躇する必要はありません。ただし、事前に内科医のチェックを受けて、手術に耐えられるかどうかを確認します。また、麻酔科医の立会のもと手術を行う日を設けています。

Q.

多焦点レンズに弱点はありますか?

A.特に回折型では、夜間にグレア(光が長く伸びてまぶしく見えること)やハロー(光の周辺に輪がかかってみえること)が起きやすくなることです。クルマのヘッドライトや信号機などを見ると、これらが出現しやすくなります。
単焦点レンズに比べるとややピントが甘くなり、遠くを見るときにくっきりと見えないと感じる方がいらっしゃるようです。

ハロー・グレア現象について

夜間に光の周辺に輪がかかって見えるハローや、光がやや散乱して見えるグレアがおこることがあります。

ハロー・グレア現象

Q.

多焦点眼内レンズの原理は?

A.多焦点眼内レンズには、回折型と屈折型、焦点深度拡張型(EDOF)の3種類があります。
屈折型は1枚のレンズに近用ゾーンと遠用ゾーンを分けているレンズです。くっきり見えますが、ハロー・グレアが強いとされています。回折型は、回折現象を利用して光が焦点を結ぶ点を、近くと中間と遠くの3つ(3焦点)、あるいは近くと遠くの2つ(2焦点)に振り分けています。このため、30cmぐらいの近い点と、60cmぐらいの中間と、5m以上の遠くの点の3つに焦点がくっきりと合います。このため書類を見たりする近方視とパソコンなどの中間距離(60cm)が、とりわけよく見えるとされ、瞳孔の大きさにあまり左右されないので、高齢になっても遠近がよく見えます(一般に年齢が高くなると、瞳孔の大きさが小さくなります)。
焦点深度拡張型(EDOF:Extended Depth of Focus)は、遠方~中間(40~50cm)にかけて広い範囲で焦点が合うよう設計されたレンズです。近方の見え方はやや弱いですが、回折型や屈折型に比べ、ハロー・グレアが非常に少なく、高いコンストラスト感度が得られます、夜間の運転をする方に向いています。

Q.

術後の仕事はいつからできますか?

A.手術翌日と翌々日に診察があり、それが終わったら事務仕事や軽作業は可能です。農業や重労働は1週間目の検診の後に医師の許可で始めてください。

Q.

車の運転はできますか?

A.術後の視力が0.7以上になれば可能ですが、違和感がある場合は医師と相談してください。

白内障手術をご希望の方

089-941-4838