近視や乱視など屈折異常も
治療するワンランク上の白内障手術
屈折矯正リフラクティブ白内障手術」とは

ホーム

白内障手術で屈折異常も治療するワンランク上の手術「屈折矯正白内障手術」とは

vol.8 遠くも近くも見える多焦点眼内レンズ

愛媛県松山市 白内障治療 白内障手術 | 岡本眼科クリニック

白内障手術の歴史を変えた多焦点眼内レンズ

原則的にピントが合う距離が1カ所である単焦点眼内レンズに対し、複数の距離にピントが合うように作られているのが多焦点眼内レンズです。多焦点眼内レンズの登場は、白内障手術の歴史のなかでまさに大事件でした。

白内障手術に使う眼内レンズは60年以上前にはすでに開発されていました。また遠近両用の多焦点レンズのアイデアは1980年代からありましたが、実際に多焦点レンズが臨床で使用されるようになったのは、手術精度が高くなった2000年代になってからです。

日本では、2007年に遠近2つの距離に焦点が合う「2焦点レンズ」が、2019年になってから遠近に加えて中間距離にも焦点が合う「3焦点レンズ」が承認されました。

最近では焦点の連続性を重視して設計されている多焦点眼内レンズ(焦点深度拡張型眼内レンズ)も登場しています。

本物の調整力をもつ水晶体にはかなわないとはいえ、性能の高い多焦点レンズの登場によって、屈折矯正も兼ねて快適な眼を手に入れるリフラクティブ白内障手術がさらに進歩することになってきたのです。

進歩し続ける多焦点眼内レンズの調節機能

人間の水晶体は、見るものの距離に応じて厚みが変わる便利なレンズです。多焦点眼内レンズは厚みそのものが変わるわけではないので、本物の水晶体と同レベルの調節機能はありません。しかし、レンズ設計技術の進歩によって、一つのレンズで複数の距離がクリアに見えるようになっています。
メガネよりも複雑な仕組みで作られていて、その技術は年々進歩しています。水晶体に比べれば劣るとはいえ、かなりの調節機能を備えたレンズになってきています。
「せっかく手術を受けるのなら、残りの人生をメガネやコンタクトレンズのいらない快適な眼で過ごすために、多少の費用がかかっても多焦点眼内レンズを入れたい」と考える人は多くなっています。
基本的に、単焦点眼内レンズには医療保険が適用されますが、多焦点眼内レンズは医療保険の適用外で、レンズ費用は自費扱い(選定療養)になります。このため多焦点眼内レンズは、医療保険が使える単焦点眼内レンズに比べると費用がかかります。
費用がかかる分、複数の距離にピントが合う多焦点眼内レンズは、近くも遠くも、メガネやコンタクトレンズを使わずに裸眼で見ることができるようになるので、非常に便利です。

 

松山の眼科 岡本眼科クリニック

多焦点眼内レンズのメリットとデメリット

実際に、リフラクティブ白内障手術で多焦点眼内レンズを入れた人は、さまざまな距離をメガネやコンタクトレンズなしで見られることに驚きます。これまで、メガネやコンタクトレンズに煩わされてきた人ほど、手術後は、それらを使わずに遠くも近くもクリアに見える快適さに感動することが多いのです。
もちろん近視に限らず、乱視や遠視の人も、多焦点眼内レンズを入れることで、それらを矯正して快適な視界を手に入れることができます。
ただし、多焦点眼内レンズにもデメリットはあります。100人に1人程度の割合で、多焦点レンズに適応できない人がいたり、コントラスト視力が落ちて見え方に違和感を感じて慣れるのに少し時間がかかったり、夜などに光が乱反射するような現象、専門的にいえばハロー、グレアなどという状態を起こしたりする場合があるのです。

松山市の眼科 | 岡本眼科クリニック

(ハロー・グレア現象。夜間に光の周辺に輪がかかって見えるハローや、光がやや散乱して見えるグレアがおこることがあります。)

多焦点眼内レンズは、近年の医学の進歩によって、非常に性能がよくなっていますが、決して魔法のレンズではないことは心得ておく必要があります。多焦点眼内レンズのデメリットやリスクも知っておき、それらを踏まえて検討することが大切です。

【岡本院長の著書のご紹介】

岡本茂樹院長執筆
「リフラクティブ白内障手術」が
3月25日に幻冬舎から発売されました。
発行:幻冬舎
定価:1,600円+税
市内主要書店で販売中
明屋書店各店 ジュンク堂書店松山三越店 紀伊の国屋書店 TSUTAYAなどで
お買い求めいただけます。当院受付でも販売致しております。